六盛 手をけ弁当
人間国宝が手がけた器に、丹精に盛込む京の旬味

 明治32年から京料理ひと筋という歴史ある京都・岡崎の老舗に、味わっておきたい名物料理がある。
 人間国宝・中川清司作の「手をけ」の器に京会席の粋を盛込む端正な一品は、先代の主人のアイデア。老舗の格式に囚われず、京料理を身近なものへと昇華した傑作に、「自分の目が届く調理場で作る料理しかお出ししない」という「一店舗主義」を貫くこだわりの技が凝縮される。滋味深い岩がきや車海老、賀茂茄子をはじめとする瑞々しい夏野菜、山菜など、贅を尽くした旬味の選りすぐり。季節の炊込ご飯の蓋を開けるのも楽しい。
 ひと口ひと口、料理を頬張るたび、思わず笑みがこぼれるのも道理。舌鼓をうちながら暑さを忘れる。古都を訪れる際には、「六盛」の手をけ弁当は、やはり外せない。

こだわりの匠 三代目 主人・調理長 堀場弘之氏
三代目の主人・堀場弘之氏の厳しい目利きと妥協のない仕事は先代譲り。かつおとこんぶでダシを丁寧にとり、繊細な味付を凝らして一皿一皿盛付ける。今も自ら調理場で指揮をとるのは「目の前のお客様をおもてなししたい」という「一店舗主義」ゆえ。この地で100余年、「六盛」の味と心を守り続ける。

▲青竹の格子に小鉢をのせた涼し気な「朝顔前菜」も、「手をけ弁当」同様に、中川清司氏の手をけで提供される。趣向を凝らした華やかな料理が夏を告げる。

▲7月には京の夏の魚、鱧が登場する。「一寸を24に包丁して一人前」と認められる熟練の技が、美しい装いを生み出す。「鱧祭」と表現される祇園祭の期間の京の味も味わってみたい。

六盛

京都/京都市左京区

京料理

所在地 京都府京都市左京区岡崎西天王町71

電話番号 075-751-6171

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