明治39年に創業し、今年110周年を迎える老舗「加賀屋」の「雪月花」15~17階が、昨年春に全室ベッドの和洋室へとリニューアルされている。古きよき和の空間をお好みに合わせて選べる一般客室に対して、こちらは洋のホスピタリティを取入れた24室の「特選階」。客室は、和室の本間に、ベッドルームの次の間、テーブルが置かれた窓際の広縁からなり、食事はその広縁でいただくことができる。食事の内容もワンランク上。特選階のために、まさしく「とびきり」の素材が揃えられる。
艶やかな輪島塗のテーブルでひと息つき、和倉の浦ののどかな夕景を眺めれば、遠くに小船がゆっくり進んでいくのが見えた。窓を開けると和倉の浦の心地よい風が頬を撫でる。和倉に来てよかった。ベッドでひと休みしながら、夕餉を待ち、明日の旅に思いを馳せてみる。
「窓際ダイニングテーブルからは、春ならではの穏やかで透明度の高い海を望む ことができます。雄大な景色と、地元食材や郷土料理、季節 の食材を心ゆくまでお楽しみください」と支配人。とりわけ、この時季の味覚の筆頭は、産卵のために近海にやってくる「能登ふぐ」。ぷりぷりの身を、唐揚げ、てっちりでどうぞ。