小さな手毬のような丸い花姿が可憐なコデマリ、美しくしだれた枝に花を連ねる優雅なしだれ桜。麗らかな空の下、3,000坪の庭園に春がめいっぱい広がっています。ここは伊豆長岡、源氏山の山懐に抱かれた「三養荘」。かつて三菱財閥の岩崎家が別邸として構えた格式ある温泉旅館です。
近代日本庭園の先駆者である庭師、小川治兵衛氏の手による広大な庭園のなかに、国登録有形文化財の本館、離れ形式を廊下でつなぐ新館が建ちます。今回ご紹介するのは、本館と新館に設けられた「貴賓室」。どちらのお部屋にも、伊豆長岡の湯をかけ流した内湯を備えています。専用の畳廊下を歩いた先にある本館貴賓室。風に微かに震えるゆがみガラスや庭の眺めに時を忘れる縁台。巨匠・名工たちが腕を競って創り上げた古きよき趣を感じるお部屋です。新館貴賓室は坪庭が設けられ、福を招くといわれる猪目窓など繊細な意匠が光る純日本風数寄屋造り。静謐を湛えた空間にやさしい陽光が揺れ、そこはかとなく薫る雅と奥ゆかしさを感じます。
朝を知らせてくれる鳥の声、風にそよぐ葉ずれの音。朝日を浴びて輝く庭園は、まさに桃源郷のような幻想的な眺め。庭の中央には池が配され、水の音が心地よく響きます。一日のはじまりから感じられる花鳥風月。訪れる人の五感を満たす風雅がここにはあります。
※画像はイメージです。
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