銀座 朱雀 焼ごま豆腐
名店での真摯な研鑽を礎にした「やさしい和食の美味しさ」

 ミシュラン一つ星、銀座の「うち山」で修業を積み、有名な食通たちの御用達として知られる赤坂の名店「津やま」で花板を5年務めあげたご主人の料理をいただきに、銀座「朱雀」に向かう。お目当てのひとつが、この「焼ごま豆腐」。おまかせコースの先陣を切る一品で、鯛茶漬けと並ぶ名物料理。高名な作家のものと思われる器に、見た目もやわらかな姿がお目見えする。
 カリッと表面を焼いたごま豆腐に、わさびをアクセントにしたスタイルは「うち山」の流れか。ごまダレを添えるご主人のアレンジで、濃密な味が際立つ。クリーミーな内側の触感とのギャップは新感覚。やさしいおいしさに、「『日本料理のコース』をいただきに銀座に来ている」という肩ひじ張った気分が、ふっと解きほぐされていくから不思議である。

こだわりの匠 オーナー兼店主 山西 和文氏
「この時季のおすすめは」と尋ねると、「直に産地から取寄せる鱧や鮎、山菜ですね」とご主人の山西氏。穏やかな話しぶりが、和の空間にぬくもりを添える。それでいて築地で仕入れる食材や、盛付ひとつに垣間見られる妥協のない仕事は、正統の和食を受け継ぐ板前そのもの。美味しさと楽しさ。そして、この凛とした空間の清々しさがたまらなく心地よい。

▲もうひとつの人気メニューは「鯛茶漬け」。「土鍋でご飯に炊きあげることでふっくらと、より熱々の状態で、鯛茶漬けを召し上がっていただくのがこだわり」とご主人。

▲コースは、少量ずつ、たくさんの料理を楽しんでもらえるような構成。日々変わっていく旬の素材に和食の技が注がれる。その食材、料理の技とともに、骨董品などを揃えた器にも注目。

銀座 朱雀

東京/銀座

日本料理

所在地東京都中央区銀座5-5-9 オージオ銀座ビル5F

電話番号03-3573-7577