大手町駅すぐのビル2階、家紋を染め抜いた暖簾をくぐると、老舗旅館を思わせる趣のある和のしつらえ。ここは、慶応3年に開業した金沢の旅籠に端を発する料亭「大手町 浅田」。金沢から取り寄せる素材を中心とした加賀料理を個室で堪能できます。
旬の素材を丹念に選び、代々受け継ぐ技で丁寧につくりあげた料理を、こだわりの器に託す。目でも舌でも楽しませてくれる加賀会席のなかで、季節替わりの焼物として評判なのが、「浅田のローストビーフ」です。石川県のブランド牛「能登牛」を中心に厳選した和牛肉を使用し、上質なうまみを逃がさないように、塩と胡椒だけで長時間かけてじっくりと焼きあげます。
ひと口目は何も付けずにそのままで。口に入れると、なめらかな肉質に驚きます。噛みしめるほどに肉の甘さと上質な脂が舌に絡みつき、豊潤な風味を口に残して消えていきます。料理人の手間を惜しまない真摯な姿勢が浮かぶ繊細な味わい。日本料理の神髄がしっかりと息づいているのを実感できます。ふた口目からは季節によって替わるつけダレで。自家製柚子胡椒や能登塩、山椒醤油、胡麻ダレなどお好みでお選びください。
金沢より取り寄せた旬の食材を使って、一品ごとに精魂込めてつくる日本料理をぜひご堪能ください。