“すき焼といえば銀座の松喜屋”。明治初期、近江牛すき焼屋の元祖として東京銀座に創業し、全国に近江牛の名を広めた松喜屋。明治・大正・昭和の三代にわたり宮内庁御用達として近江牛を納めた名店です。現在は滋賀と京都に直営レストランを構え、近江牛のなかでも品質の高い「認定近江牛」を、ステーキ・すき焼・しゃぶしゃぶなどで提供しています。
滋賀大津にある「近江牛専門店 れすとらん松喜屋 本店」は、日本最大級の長さを誇る鉄板カウンターが存在感を放ちます。目の前で焼きあげる近江牛を名物「泡塩」で味わうステーキが評判ですが、この季節のおすすめが「近江牛入り 桜蒸し」。松喜屋自慢の近江牛と、卵を身ごもり桜色に染まった鯛を使用した春のご馳走です。ふっくらと炊きあげたもち米で近江牛の肉味噌と鯛の身をくるみ、桜の葉に包んでじっくりと蒸しあげています。
清水焼の蓋をあけると、ふんわりと広がる桜の葉の香り。春の訪れに思わず頬がゆるみます。近江牛のしっかりとしたうまみと桜鯛の甘み、ほろりとくずれるやわらかな食感。もっちりとしたもち米に薄味のあんかけがよく絡み、上品でやさしい味わいが口のなかに広がります。すべて一から丁寧に仕込まれているのがわかる、繊細な技と細やかな感性が響き合う逸品です。
ホテルレストランなどで修業を積み28年。松喜屋でしか味わえない近江牛料理でお客様に笑顔になっていただきたい。そんな一心で日々研鑽を積んでいます。
▲日本最大級の長さを誇る鉄板カウンター。低温熟成した近江牛を焼きあげ、名物「泡塩」で味わうのが松喜屋流です。
▲目の前で豪快に焼きあげる活オマール海老。2種類のソースでお楽しみいただけます。