古事記や日本書紀に記される日本最古の道・山の辺の道が走る奈良県中部。「福寿館 本館」は古道の起点となる日本最古の神社・大神神社から車で10分ほど走ったところに位置します。ふわりと朗らかな春の風に誘われて、万葉が薫るいにしえの旅におすすめしたい名店です。
レストランと精肉店を併設する福寿館で取り扱う肉は、直営牧場で飼育した血統書付きの黒毛和牛。選び抜いた雌の仔牛をストレスなく育てるために、水も空気も美しく、静かな環境の牧場で育てています。福寿館の名店たる所以は、この手塩にかけて育てられたことがわかる、肉質の繊細さにあります。おすすめはシンプルな味付けで肉のうまみを味わえる関西風の「寿き焼」。大きく厚く手切りされたロースは、目の覚めるような美しい霜降り肉。牛脂をひき、肉と玉葱を加えて香ばしく焼きつけます。火が通れば砂糖をまぶし、醤油をかけて煮込みます。
一枚目は何もつけずそのままで。口の中に入れるとたちまち舌の上でとろけ、かむほどに脂の甘みと肉そのもののうまみが広がります。上品な香りがあとから追いかけ、誰もが至福の表情をみせるのです。二枚目からは肉のうまみが染み込んだ野菜や豆腐と一緒に、溶き卵にくぐらせて。柔らかさ、うまみ、そして焼きあがりの香り。そのすべてにおいて優秀な福寿館の黒毛和牛。上質な風味が贅沢な余韻を残し、一度味わうと忘れられない記憶を刻みます。
日本料理の老舗「なだ万」などで、本格和食を25年修行し学ぶ。山形の大自然のなかで、こだわりをもって肥育された安心安全な福寿館牛と日本料理の技術、歴史と文化の融合を目指し、たくさんのお客様に幸せと感動をお届けします。