名店が軒を連ねる銀座にありながら、オープンからわずか3年で食通たちの信頼を得る店があります。すずらん通りにある日本料理店「銀座 聖藍」。料理長の八田克彦氏が一途なまでにこだわるのは、本物の味。奇をてらわない素材を活かした料理は、失われゆく日本の食文化を守り伝えることを信条としています。
今回ご紹介するのは、ブランド牛の頂点に輝いた鹿児島黒牛を使用した炙り。鹿児島黒牛は5年に1度開催される通称・和牛オリンピック(全国和牛能力共進会)で、2022年、全9部門のうち6部門で1位を獲得するとともに、内閣総理大臣賞をも受賞。さらに肉牛の部では最優秀枝肉賞を前大会に続き連覇したという、まさに「日本一」の美味しさを誇る和牛です。「銀座 聖藍」ではこの鹿児島黒牛のヒレを使用。塩と胡椒だけで表面を焼き、手を加え過ぎることなく、余熱でゆっくりと時間をかけて加熱していきます。
ひと切れ噛むと、しっとりと柔らかく、表面の芳ばしさと肉汁の香りが鼻に抜けます。口中にふわりと広がる旨みと甘みに、赤ワインを頼むゲストも多いのだそう。上質な脂はしつこくないため、次の料理の邪魔をしないのも魅力。本物の美味しさを追求する「銀座 聖藍」の本領ともいえる逸品です。
※「鹿児島黒牛炙り」はコース料理の一品のため、他の料理との兼ね合いにより、ビーフカツやすき焼き風煮物といったさまざまな調理法に変更される場合があります。
▲銀座の隠れ家にふさわしい落ち着いた雰囲気。料理、器、佇まい、おもてなしに至るまで、日本文化の粋を極めます。
▲海老真丈と雲子のすり流し。深まる秋に身も心もほっと温まるお椀をぜひご堪能ください。
40年以上にわたり、日本橋や銀座、築地「藍亭」など、都内の料理屋で研鑽を重ね、「紀尾井町 藍泉」では料理長を務めた。2020年秋、「銀座 聖藍」をオープン。