数多の著名人がお忍びで訪れる名店「ウェスタ」。日本橋駅から徒歩すぐにある店には看板はなく、目の前にそびえるのは重厚な扉。一歩足を踏み入れると、街の喧騒とは一線を画したシックな空間が広がります。
　「ウェスタ」で提供される肉は、上質な三田牛。兵庫県産の但馬牛を素牛とするブランド牛のなかでも、厳格な基準をクリアしたものだけが名乗れる選ばれし黒毛和牛です。出荷頭数が限られるため、「ウェスタ」では牧場と直接契約し、生産者と向き合いながら選び抜かれた三田牛をメインに取り扱っています。
　ステーキ肉を焼きあげるのは、店内でひと際存在感を放つ竈とウバメガシの紀州備長炭。表面温度は800度～900度にもなるという圧倒的な高火力を利用し、旨みは逃がさず、余分な脂と水分だけを落とし、厚さにこだわった肉を短時間で焼きあげます。竈を操る職人は、その日の気温によって温度や塩加減などを細かく調節しながら、肉のポテンシャルをさらに引き上げます。
　カリッと香ばしい表面は、なんと紙一枚ほどの薄さ。内部は驚くほどしっとりとした仕上がり。見事な霜降りによる繊細な口溶け、噛むほどに広がる肉の濃厚な旨みは、まさに最高級のものです。